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2024.05.11 その他の病気
ストレスと目の病気
ストレスは万病のもといいます。目の病気も例外ではなく、いくつかはっきりとストレスで起きる、悪化する病気があります。
今回は目の病気とストレスの関係についてまとめます。
・緑内障:
緑内障は、眼圧が高くなり、目の奥の視神経を傷害して、視野が失われていく、失明原因の第一位の、重要な目の成人病です。しかし、眼圧が正常でも、視野が欠けていく『正常眼圧緑内障』とよばれる緑内障があります。特に日本人では、このタイプの緑内障が多く、緑内障全体の80%程度をしめています。
正常眼圧緑内障をふくむ緑内障の発症、進行にストレスが関係すると強く推察されているのです。
これは、視神経周囲の血流が悪くなることが原因と考えられています。
・ドライアイ:
ドライアイは、国民の6人に1人がなる、もっとも身近な目の病気のひとつです。単に乾くだけでなく、痛み、目やに、充血、涙がが逆に増える、視力が下がる、などさまざまな目の症状を引き起こします。
涙がつくられる組織;涙腺(上まぶたの内部にあります。)は副交感神経の刺激を受けて、涙を分泌します。
ストレスがかかると、交感神経の働きがつよくなり、副交感神経の働きが弱くなりますので、涙の分泌が減ってドライアイになり、あるいは悪化します。
・糖尿病網膜症:
糖尿病網膜症は、糖尿病の三大合併症のひとつです。糖尿病が長期間コントロールが悪くなると、目の奥;眼底の血流が悪くなって出血やタンパクの汚れを生じて発症します。失明原因の第三位となる、目の代表的な成人病です。
ストレスにより、目の血管の血流が悪くなり、発症、また悪化させる可能性があります。
また、ストレスで、飲酒量が増えることはよくあり、その結果糖尿病のコントロールが悪化して、網膜症も進行します。
・高血圧性網膜症:
高血圧性網膜症は、血圧が高くなることで、目の奥の:眼底の血管を痛めることで発症します。糖尿病網膜症と同様に、ストレスで血流が悪くなることで、発生したり、増悪します。
ストレスからアルコールが増えると、やはり悪化します。
・中心性網膜炎(中心性漿液性網脈絡膜症):
働き盛りの中年男性が片目が急に見えなくなると、まずこの病気を考えます。目の奥:眼底の中心部の黄斑(おうはん)が水分により腫れてしまう病気です。
ストレスにより、目の奥の血管から水漏れをおこしやすくなり、発症するとされています。もっともストレスとの関係ア強い病気です。
ストレスを減らせば、自然に治ることが多いのですが、長引くとレーザー治療が必要になったり(治療費は高額になります)、加齢黄斑変性症に移行したりしますので、注意が必要です。
・網膜静脈閉塞症・網膜動脈閉塞症:
目の奥にあり光を感じとる網膜を栄養する血管:動脈・静脈が詰まって、視力・視野障害を起こす病気です。いずれも緊急の治療が必要になります。
網膜静脈閉塞症に対しては、レーザー、硝子体注射、硝子体手術を、網膜動脈閉塞症に対しては、入院での点滴治療、レーザーが必要になることが多いです。
とくに、網膜動脈閉塞症は重症で、高度な視力障害をしばしばのこします。
病気の成因に血流が大きくかかわっていますので、ストレスで起きる可能性があります。
以上ストレスと目の病気についてまとめました。目の病気になったり、手術を受けたりすることで、当然大きなストレスがかかります。
しかし、必要以上にストレスをかかえると、目の病気の直りが悪くなることも考えられますし、強くなりすぎると、心の病気になることさえありえます。
必要な通院、点眼、手術は欠かさず受けられて、残りの時間は、病気のことを忘れて、めいっぱい好きな趣味をされたり、ご家族とのお時間をとるようにされて、ストレスを減らすことを重視されたら良いと思います。
目の手術であれば、『手術を受けてみえるようになったら、大好きな旅行に行こう、』など快適な術後の生活をイメージされると、手術のストレス・恐怖心も緩和すると思います。(難しいかもしれませんが、)
かくいう私もストレスと常に戦っております。今のところ、病気にはなっておりませんが(笑)、医学生時代に恩師の先生に『医師になることはストレスと戦うことである』と言われたことを日々思い出します。
ストレスと戦うのではなく、ストレスを受け入れる、ストレスとともにある、という感覚が良いのだと、最近は感じております。
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