お知らせ

2024.04.29 視神経の病気(緑内障)

眼圧を上げない生活

当院では緑内障診療に力を入れています。

緑内障は失明原因の第一位で、40歳以上の17人にお一人がなるとても身近な目の代表的な成人病です。

眼圧が上がることで視神経を傷害し、視野がせまくなっていく病気で、失われた視野を取り戻すことはできません。

一生涯にわたって治療を続ける必要があります。まず点眼で眼圧を下げることが基本になり、点眼で眼圧のコントロールが難しくなった時に、日帰りレーザー治療・手術・内服を病状に合わせておこないます。

通院は、眼圧や視野の状況にもよりますが、おおむね、毎月~2,3カ月に1回というペースです。その間、毎日かかさず決まった時間に点眼をして眼圧を下げていただくのが重要になります。

それでは、点眼以外に、日常生活で、眼圧をあげないようにはできないのでしょうか?これは、外来でもよくお受けする質問になりますので、今回、掘り下げて詳しく解説させていただきます。

まず結論から言わせていただきますと、眼圧は目の内部を流れる、房水の流れ方、(大まかに言うと目の内部構造)で決まりますので、生活の影響で短時間上下することはありますが、続くことはありません。

したがって、生活の影響をほとんど受けません。ですので、基本的に今の生活を変えなくても大丈夫です

 

しかし、それでは、お答えになっていないと思いますので、普段からできる、『眼圧を下げる生活』について説明します。

 

①まず、軽い有酸素運動は眼圧を下げる効果があります。そして、さまざまな、内科的な生活習慣病の予防にもなりますので、ぜひ取り入れてください。

『ジョギングするぞ!!』と意気込まれなくても、一駅手前で降りて歩くとか、階段をなるべく使うとか、長めの散歩をするなど、取り組みやすく、続けやすいもので大丈夫です。

私も有酸素運動大好きで、ほとんど毎日しております。

 

➁つぎに、一度に大量のアルコールや水を飲むことは控えましょう。すくなくとも、直後に眼圧が上がることが分かっていますので、避けられたほうが良いです。

飲み会などでは、ゆっくりペースを守って飲みましょう。

また、嗜好品についてですが、コーヒーは眼圧を上げるという報告と下げるというデータ両方あります。しかし多量に飲むことはおすすめできません

カフェインをふくむ緑茶についても同様です。適量であれば、毎日でもかまいません。

喫煙も、循環を悪くして、視神経を障害する可能性がありますので、ぜひ避けてください。喫煙はすべての生活習慣病のリスクになります。

➂三つめに、姿勢についてです。目を含む頭が、下にいくほど眼圧が上がります。したがって寝る時には、かならず枕をしましょう。うつ伏せや、横向きで寝るのはさけて、仰向きで眠られるのが一番よいでしょう。(目に血流がいきにくくなるので、枕を高くするのは避けましょう。)

逆立ちやヨガで、頭が低くなる姿勢は避けるようにしましょう。

 

また、目の血管は、首の血管から枝分かれしてきますので、根元にあたる、首がしまらないように気をつけましょう。ネクタイはしない方がよく、するとしても、緩めにしましょう。

シャツの一番上のボタンは外しておいたほうが良いです。

まれにはなりますが、首を絞めるような格闘技は避けた方がよいでしょう。目を打つ外傷のリスクにもなります。

 

リラックスするように心がけましょう。最近の海外の報告で、瞑想することで眼圧が下がることが示されれています。いきなり瞑想というとハードルが高いと思われるかもしてません。

リラックスできれば良いので、趣味の時間をしっかり持ったり、ご家族と過ごされる時間を確保されるのでも十分です。

しかし、スマートフォンやテレビゲームを長時間するのは、逆に負担になり、眼圧を上げる可能性がありますのでご注意ください。

 

食事内容を見直しましょう。

揚げ物、スナック菓子などの脂っこい食事、塩分の多い食事、糖分の多いお菓子類は控えましょう。

それぞれ、糖尿病・高血圧・高脂血症など生活習慣病のリスクにつながり、緑内障を悪化させる可能性があります。

とくに糖尿病を原因とする緑内障は難治性のため注意が必要です。

かわりに緑黄色野菜や、魚類(とくに青魚)を積極的にとるようにしましょう。

以上『眼圧を上げない生活』についてまとめました。私は、勤務医時代から長年緑内障診療に携わり、緑内障治療をライフワークにしています。日帰りレーザー治療にも積極的に取り組み、緑内障治療に特に力を入れています。

他院からの患者様も多く受け入れておりますので、現在の診療内容に、ご不安、ご不満を感じることがありましたら、ご遠慮なく相談にいらしてください。新たな治療をご提案できると思います。

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診療時間

診療時間 日・祝
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眼鏡処方、コンタクトレンズ処方、オクルパッドの受付は終了30分前までとなります。

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(手術・特殊検査・ハードコンタクトレンズ処方は予約制です。)

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