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2023.10.15 網膜の病気

網膜剥離とは

網膜剥離とは、光を感じ取る、目の奥の組織:網膜が、外側にある脈絡膜からはがれてしまう病気です。

裂孔原性網膜剝離は、緊急手術を必要とする重要な網膜剥離です。これは網膜に孔ができて(網膜裂孔・網膜円孔)、内側にある硝子体の水の成分が、網膜の下に入り込んで、網膜が浮いてはがれる状態です。

年間で1万人に1人しか発生しない、比較的まれな病気ですが、失明につながる怖い病気です。

 

裂孔原性以外の網膜剥離には、高血圧・腎不全・ぶどう膜炎などで浸出液(水分)がたまって起きる滲出性網膜剥離と、糖尿病網膜症・網膜静脈閉塞症などで、増殖膜が引っ張ることで起きる牽引性網膜剥離があります。

 

<原因>

裂孔原性網膜剝離の原因はおもに二つあります。

一つは中高齢の方で、目の内部をみたしている組織:硝子体の年齢変化のために、網膜が内側から引っ張られて孔ができる場合です。

硝子体は、卵でいうと白身にあたる組織です。網膜の内側に接して、目の内部全体をうめているゼリー状の組織になります。

硝子体は水の成分と繊維組織から成っていますが、二つの成分は年齢とともに分かれていきます。その結果、硝子体は収縮し、網膜を引っ張ってしまいます。(後部硝子体剥離といいます。)

通常は、硝子体は網膜からスムーズにはがれますが、硝子体と網膜が強くくっついている場所、網膜が薄くよわくなっている場所で、硝子体に網膜が引きちぎられて孔ができることがあります。

もう一つは、若い方で、打撲、格闘技、交通事故などで目を打つ衝撃で、網膜に孔ができることもあります

アトピー性皮膚炎の患者様で、自分で目の周りを、強くさわったり叩いたりして、衝撃をあたえて孔ができることもあります。

また、高度近視の方では、眼球が前後方向に長くのびた形状をしているため、網膜がうすく引き伸ばされています。その結果、格子状変性という、特別にうすく弱くなっている場所ができることがあります。

格子状変性ができている目で、上記のような変化が起きると、さらに網膜剥離が起きやすくなります。

 

<症状>

網膜剥離の初期症状は、飛蚊症です。飛蚊症は、点や糸くずや虫のようなものが視界に浮いて見える症状です。

網膜に孔ができる時の網膜の破片が、硝子体に飛び散って硝子体をよごします。その結果、飛蚊症が急に増えたり、飛蚊症の形が変わったりします

次いで、光視症を感じることが多いです。光視症は、視界に光や稲妻が走るように見える現象です。

硝子体が網膜を引っぱる時に、網膜から光の信号が発信されることで見えます。飛蚊症よりも、網膜への影響が強くなっているサインです。

実際に網膜剥離が起きると、剥がれた網膜は、脈絡膜の血管から栄養を受け取れなくなり、見える力を失っていきます。その結果網膜剥離を起こした場所に対応した視野が欠けます

網膜剥離の進行とともに、視野欠損も拡大して、網膜の中心部:黄斑部まで剥がれると視力が大きく低下します。そのまま1~2週間たつと、手術でも回復できなくなり失明してしまいます。

なお網膜には痛みを感じる感覚がありませんので、痛みは感じません。

 

<治療>

薬で治ることはありませんので、治療は手術になります。日帰りのレーザー手術と、入院が必要となる、硝子体手術・バックリング手術があります

網膜裂孔・円孔と、範囲がせまい網膜剥離はレーザー手術の対象です。拡大した網膜剥離は硝子体手術・バックリング手術の対象です。

硝子体手術・バックリング手術は緊急入院になるうえ、ガスを眼内に入れて、網膜の傷にあてるために、術後しばらくうつ伏せ姿勢を取らないといけなくなります。レーザー手術に比べて、経済的・身体的ご負担が強い治療になります。

早期発見できて、拡大していない網膜剥離はレーザー手術で治せます。上記のような症状があるときにはなるべくはやく来院されることおすすめします。

 

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