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2023.06.08 網膜の病気

飛蚊症と光視症

飛蚊症と光視症はどちらも目の加齢変化で起きますので、中高年の方は経験されることが多いです。飛蚊症の方が有名なようです。

どちらも目の硝子体という内部組織の老化にともなって見えます。飛蚊症は視界に見える、本来存在しない浮遊物です。点や線で見えることが多いですが、虫、たばこの煙のような形でさまざまです。

色も黒色・灰色が多いですが、白色に見えることもあり、やはりさまざまです。対象物が無いのに見える、視界の浮遊物を飛蚊症と総称しています。(私の年齢でもときどき見えております。)

光視症は、視界に光が走る、稲光のように見える現象です。飛蚊症より頻度は少ないですが、同様に年齢とともに増える傾向があります。

飛蚊症と同じように、目の内部:硝子体の加齢変化で起きやすくなります。硝子体が年齢で徐々に縮む性質があり、それにともなって、網膜が引っ張れる、刺激をうけて、光の信号を発することが原因になっています。

飛蚊症より、網膜のダメージが強い状態と考えられます。

飛蚊症と光視症は、中高年の多くの方が経験されるので、すぐに心配される必要はありません。しかし、繰り返し起きるようになると病気の可能性を考えないといけません。具体的には網膜剥離という病気のサインかもしれないのです。

網膜剥離は眼科の救急疾患の代表的なものです。目の奥の光を感じ取る神経組織:網膜が、傷ができて剥がれる病気です。

剥がれて浮いてしまった網膜には、血管からの栄養が供給されなくなり、徐々に細胞が減ることで、見える力をうしなっていきます。最初は剥がれた範囲だけ見えない、視野障害ではじまりますが、中心部分でおよんでしまうといずれ失明してしまいます。

 

格闘技・ボクシングで有名になりましたが、実際には中高年の方が、年齢変化で自然発生するパターンの方がずっと多いのです。

網膜剥離は、手術技術の進歩で、成功率は確実にあがっており、どの報告でも90%を超えています。

ただ、早期発見は重要になります。手術方法が、進行度により異なり、早期発見できれば、日帰りのレーザーで比較的短時間になおすことができます。

しかし受診が遅れてしまい、進行した状態になっていたとしたら、入院手術が必要になります。1-2週間の入院期間になりますし、ガスを入れた場合、長時間のうつ伏せが必要になりますので、患者様の負担はおおきくなってしまいます。お仕事への支障も増えてしまいます。

したがって、飛蚊症や光視症が増えたら、早めの眼科受診をおすすめいたします。当院では、網膜剥離の治療に力を入れており、ほとんど毎週手術をしています。

入院治療が必要な場合は、連携医療機関にすみやかにご紹介いたします。

 

進行した網膜剥離です。中心部:黄斑に接近しているので、入院手術の対象です。

入院手術の場合、ガスを眼内に入れて、網膜の傷にあてるためにうつ伏せ姿勢をずっととることが多いです。

網膜裂孔と周囲の剥離に対してレーザー・光凝固をおこなっています。

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