『眼内レンズはどれくらいもちますか？』

これも白内障手術前説明で良くお受けする質問になります。今回はこのご質問にお答えしていきます。

眼内レンズはコンタクトレンズと違い、目の中心の、外界と接しない汚れない空間に入れますので、涙や目やにで汚れることはありません。

レンズ本体は、アクリルやシリコンという、生体適合性の高い素材でつくられています。したがって実験で、目の中で何十年という単位で、劣化しないことが証明されています。

私が眼科医になりたての頃に、シリコンハイドロゲルという素材の眼内レンズが、眼内で白濁することが分かり、全例摘出手術の対象になったことは1回だけありますが、その後20数年、世界的にもそういった報告はありません。

生きておられる間に、レンズが汚れたり、破損したりすることはありませんのでご安心ください。

ただし、後発白内障といって、レンズ本体でなく、レンズを入れている、薄い嚢が汚れることはある程度の割合で起きています。ですが、レーザー治療という、日帰りで数分で終わる安全な処置で回復できます。

お電話でお問い合わせいただきましても、目を診察せずにお答えすることはいたしかねます。診察で目をしっかり診させていただいたうえで詳しくご説明さしあげます。