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2022.06.23 水晶体の病気(白内障)

よくある白内障手術のご質問

よくある白内障手術のご質問にお答えさせていただきます。

A:まずかすんで見にくくなります。遠く、近くのすべての距離でその症状が出てきます。ほかには、まぶしさを強く感じるようになったり、ものが二重に見えたり色の鮮明さがなくなり区別しにくくなったり、視界が白っぽくなったりします。眼鏡の度数が変わることもよくあります。

 

Q:いつ頃手術を受けたらよいですか?

A:手術が必要になるタイミングは個人差が大きいのですが、『不自由を感じた時が手術のタイミングです。』とまずお答えしております。

白内障は50歳過ぎから全員が発症します。進行のスピードには個人差がありますが、60歳台から70歳台で手術になる方が多いです。一部、進行が遅く、一生手術を必要としない方もおられます。

運転が多い方と、ほとんど室内で過ごしておられる方では、生活に必要な視力に差がありますので、手術が必要となる時期にも当然差がでます。

また、白内障手術で目の中に入れる眼内レンズで、近視・遠視・乱視をかなり治せますので、もともと近視・遠視・乱視が強い方には、コンタクトレンズをやめたり、眼鏡をつける時間を相当減らせますので、少し早くおすすめするようにしております。

また運転免許更新が難しくなる場合は、手術を決心しないといけなくなることが多いです。(普通免許の更新には、両目で0.7必要になります。) 誕生日の1カ月後の免許更新の期日までに、視力が出ないと一旦失効することになります。

 

Q:手術は痛いですか?

A:手術の時にはもちろん麻酔をかけます。麻酔の方法は目の注射でなく、目薬です。したがって麻酔が負担になることはありません。目薬の麻酔ですが、何回もおこなうことで、手術中の痛みはほぼ感じません

ただし、触る感覚まで消すことはできませんので、目を押されたり、触られたりするのは感じます。

 

Q:手術中にメスは見えますか?

A:ある程度見えます。私は体験したことはありませんが、患者様のお話をお聞きすると、ものすごくまぶしい顕微鏡の光で、そこまで気になりません。また手術が順調に進行して、水晶体が取れると、1回まったく見えなくなります。その後レンズが入るとまた見えますが、レンズが入れば、ほぼ手術は終了です。手術の間ずっと見えているわけではありません。

 

Q:手術時間はどれくらいですか?

A:当院のデータでは、多くの方が5分程度です。

ただし一部、水晶体のふくろの支えが弱い患者様、白内障が極端に強い方で20分程度になることも、まれですが、ございます。

特に、水晶体のふくろの支えの弱さは、手術前の予測が難しいです。

 

Q:手術翌日に見えるようになりますか?

A:半数以上の方がそうなります。ただしいくつかの条件がそろう必要がございます。1週間程度で、特殊な合併症をのぞくすべての方が見えるようになります。

1.白内障以外の病気がないこと

2.白内障の進行度が適度であったこと

3.手術の結果に過剰な期待を抱いていないこと

などです。

1.緑内障・加齢黄斑変性・黄斑前膜・網膜静脈閉塞症などの白内障以外の病気があった場合には、そちらの病気から起こる、視野の欠け、歪み、中心の見にくさなどが残ってしまうため、視力が不完全になることがあります。

2.白内障が強すぎる場合、術中に超音波を長時間あてる必要があり、目の表面のくろめにダメージがのこりやすくすぐに視力はでません。

逆に、白内障が軽すぎる場合、視力の上り幅が少なくなるため、向上した実感がとぼしいこともございます。

たとえば、手術後に(1.o)に回復した場合でも、術前の視力が(0.8)の方は、(0.1)の方に比べて、上がったことを感じにくくなります。

3.まわりで手術を受けられた方から、『世界がまるで変ったようになった』『翌日からすごく良くみえるようになった』というお話を聞いて、結果に過剰に期待をもっておられた場合、期待したほどには上がらなかったと感じられることもございます。

患者様個人、個人で、手術前の目の状況、またご使用されたレンズが異なりますので、手術が成功しても、少なくとも翌日の見方には差がでることもございます。

 

Q:手術をしたら眼鏡がいらなくなりますか?

A:すみません。ケースバイケースとしかお答えできません。

選ばれたレンズの種類、手術で設定したピントの距離、必要とされる視力、お仕事、趣味などさまざまな要素で決まります。

まず、高機能の多焦点眼内レンズを選ばれた場合、ほとんど眼鏡がいらなくなります。10人から20人にお一人が眼鏡を必要とする程度です。

通常の単焦点を選ばれた場合、一番視力が出るピントの距離を、相談し設定します。手術前の近視・遠視の度数、術後の生活で、どの距離を重視されるかをうかがって、ピントの距離を設定します。

当院の場合、左右のピントの距離に意図的に少し差をつける、モノビジョンを積極的に採用しています。そうすることで、眼鏡を使用する機会を減らせています

それでも、多焦点眼内レンズの能力には劣りますので、細かい見方が必要となる場面では眼鏡が必要になります。

ほとんどの場合で、手術前と度数がかわりますので、手術の効果をしっかりと出すためにも、眼鏡は交換が必要になります。

 

Q:両目同時に手術はできますか?

A:可能です。ですが、メリット・デメリットがございますので、ご相談したうえで決めさせていただきます。まず、メリットは、通院や、生活の制限が、1回にまとめられることがあります。お仕事がお忙しい方、ご高齢で術後の通院・制限が、ご本人・ご家族にご負担になるは受けやすくなります。

デメリットは、まず手術時間が2倍以上になることです。手術への恐怖心が強い方、緊張される方には向かないと思います。また、度数ずれへの対応ができないことがあります。

現在は機械の精度が高いため少なっておりますが、術後に近視・遠視が予想外にのこることがあります。

両目をわけて手術をする場合には、反対の目の手術にデータを反映していますが、それが出来なくなります。

 

Q:手術前にはどういう準備が必要になりますか?

A:手術をご予約いただいてから、かかりつけの先生に、手術を今回行ってよいか、確認のお手紙を送らせていただきます。

手術前に詳しい、目と体の検査・手術の説明をそれぞれ予約いただきます。

目の手術ではありますが、術中、術後に緊張で体調を崩される方はおられます。特に血圧が上がることはよく起こります。そういった不調に備えて、術前にお身体のデータを取らせてください。(内科で採血されておられたら、データを持参いただければ、重なる項目は省かせていただきます。)

また、重要なのが、手術の順番を決めるために、感染症のデータも取る必要がございます。当院では、ナイフや糸の使いまわしは、厳におこなっておりませんが、念のために、感染症をお持ちの患者様は最後にさせていただきます

手術の方法、リスク、術後の生活に関する詳しい説明をおこなっております。お一人でお聞きになる患者様が多いですが、ご高齢であったり、ご不安であれば、ご家族が付き添って一緒に聞いていただければと思います。

手術当日はお一人お付き添いの必要がございます。また、手術の週には頻回に診察させていただく必要がございますので、ご都合が合うかもご確認ください。

 

Q:手術当日はどういう流れになりますか?

A:朝ごはんは軽めにとってください。血圧のお薬を飲まれている方は、その常備薬をお持ちください。女性の方はノーメイクで来院ください。付き添いの方と来院後、服の上から手術着を着ていただきます。上着は前開きのものがよく、靴もひも靴でなく、脱ぎやすいものでお願いします。補聴器は手術を受けられる側は外していただきます。

(付き添いの方がお忙しい場合、ご本人様がしっかりされておられたら、手術後に来られて、付き添って帰っていただくだけでもかまいません。)

血圧・脈拍・体温を測定し、複数回目薬をします。消毒をした後、手術となります。手術前にはお手洗いをすませておきましょう。
終了後、15分間安静にしていただき、血圧・脈拍・体温および体調に問題なければ、眼帯をつけたまま帰宅していただきます。
手術時間は約5分ですが、当日は、術前の準備と術後の安静をあわせて、2時間ほどかかります。翌朝まで眼帯をつけて過ごしていただきます。入浴・外出はお控えください

 

Q:手術後の生活はどのような制限がありますか?

A:手術の傷に触れたり、水がついたりすると、危険な感染症をおこす可能性があります。それを防ぐために、術後5日間は、保護眼鏡を24時間装用していただくようになります。また、術翌日からお風呂・シャワーは可能ですが、洗顔・洗髪は術後5日間、基本的にできません。

目以外の部分をタオルで洗ったり、理美容室でバックシャンプーをしていただくことはできます。

目に水・ごみがはいるような汚れるお仕事でなければ、術翌日からお仕事をしていただけます。

運転は、視力が(0.7)出ていることが条件になります。多くの方が術翌日から可能です。

 

Q:眼内レンズはずっと使えますか?

A:目の中の汚れない空間にいれます。コンタクトレンズのように目やに・涙で汚れません。また50年以上持つ安全な素材でつくられていますので、一生使えます。言い換えると原則交換はできませんので、術前にレンズをよく相談してご一緒にきめるようにしましょう

 

Q:手術は1回だけですか?

A:白内障手術は国内で年間で、140万件おこなわれており、もっとも件数の多い手術です。歴史も長く手技として完成されていますので、安全性は確率されています。

ほとんどの方が1回で安全に終わります。一部で、後発白内障に対するレーザー、目の奥の腫れに対する注射を。ごく一部で、レンズの入れ替え、残った近視・乱視に対するレーシックなどの追加手術をおこなうことがあります。

 

Q:手術を受けて、何年もたってから見えなくなったという話を聞きますが?

A:おもに2つの原因が考えられます。一つは後発白内障という、術後トラブルでもっとも多いものです。レンズを入れている嚢がにごって視力をさげます。術後数十人にお一人で発生しますが、数分間のレーザーで簡単ににごりをとって回復することができます

もう一つは、別の目の病気を発症している可能性です。白内障は目の中間の汚れを取る手術ですが、さらに奥にある眼底の病気:緑内障・加齢黄斑変性・糖尿病網膜症・眼底出血などを起こされ、そちらが原因で視力が低下している可能性があります。

それらの病気の治療をすることで、回復できる可能性があります。

また、年齢で認知能力がおとろえることで、視力が下がる場合もあります。

 

Q:新しいタイプの眼内レンズがあると聞きましたが、どのようなものですか?

A:眼内レンズの種類は大きく2種類、単焦点レンズと多焦点レンズに分かれます。多焦点レンズが、あたらしいタイプのレンズになります。複数の焦点をもっているため、見える距離が広がり、術後多くの方が眼鏡の要らない生活をおくることができます。

一方単焦点レンズでは、遠く、近くのいずれかにしか焦点を合わせられませんので、選ばれた距離と反対のほうには眼鏡が通常必要になります。

ただ現在は選定療養扱いとなっており、レンズ代を自己負担いただく必要があり、種類によりますが、片目で数十万円程度、手術代に追加いただくようになってしまいます。

なお、レンズ自体に光を割り振る特殊加工がしてあるだけですので、手術時間が長くなったり、手術中のリスクが増加するわけではありません。

 

Q:今一番良いレンズはどれですか?

A:多焦点眼内レンズは、光学テクノロジーの進歩にともない、高性能のレンズが開発されています。

当院では、安全性・信頼性を考慮して、国内承認のレンズのみ使用しております。その中で、もっとも能力が高いのが、連続焦点レンズ『シナジー』と、3焦点レンズ『パンオプティクス』になります。どちらも学会のデータ、当院での経験でも、近方・中間・遠方それぞれの距離の見方にすぐれています。術後に眼鏡が必要になる方はかなり少なくなります。

連続焦点レンズはより近方の見方に強く、3焦点レンズは遠方の見方に強いです。

連続焦点レンズは、術後のハロー・グレアを感じやすい傾向がありますので、夜間運転が多い方は注意が必要となります。

いずれも、能力、患者様のご評価も高いレンズとなりますので、選ばれて後悔されないと思います。

 

Q:多焦点眼内レンズのデメリットはありますか?

A:新しいタイプのレンズですので、ご不安もあると思います。ですが、20年近い歴史はありますし、年々改良されていますので、ご満足される患者様がほとんどです。

術後に、眼鏡を使用される方は10~20人におひとりですので、ほとんど眼鏡のいらない生活が期待できます。

わずかですが、おもに3つのデメリットがあります。

1.単焦点レンズにくらべて、ピントを合わせた1点の距離の鮮明さは劣ることです。多焦点レンズでは、複数の距離を見えるようにするために、光のエネルギーを分散させているためです。

2.光視症(ハロー・グレア)を感じることがあります。夜間運転されているときに、光を見ると、輪っかがかかったり、放射状に光が走るように見える合併症です。運転ができないほど強い患者様は経験したことはございませんが、夜間の運転が多い患者様は注意が必要です。

3.多焦点レンズの見方に慣れることができない患者様がごくまれにおられます。多焦点レンズでは、複数の距離の情報を脳におくり、それを処理して感じ取ることになります。それに順応することが難しい患者様がまれにおられ、眼内レンズ交換の再手術が必要になる可能性もございます。

 

Q:私にはどのレンズが良いのですか?

A:現在、レンズの種類は増えており、選択肢が増えることはよいことですが、迷われる患者様も多いと思います。まず、多焦点レンズか単焦点レンズをえらんでいただきます。多焦点レンズは、片目で数十万円の追加と高額になりますが、眼鏡がほとんど要らなくなります。当院で、多焦点レンズを選ばれる患者様は10人にお一人くらいです。

単焦点レンズを選ばれたら、もともとの近視・遠視の度数、生活・趣味などをうかがって、ピントの距離を設定します。

当院では、両眼の単焦点レンズの度数にすこし差をつけることで、裸眼で見える距離をのばすモノビジョンを積極的に採用しております。

当院では術前説明の際に、しっかりと時間をお取りしてご希望を伺いながら、最善のレンズを選んででいただけますようしっかりお手伝いさせていただきます。

 

Q:白内障は目薬では治りませんか?

A:白内障の予防治療薬:カリーユニはあります。しかし進行をわずかに遅らせる効果しかもっておらず、視力を回復することはできません

手術が安全に短時間に終えれるようになっておりますので、目薬を処方することはかなり少なっております。

お若くして発症している患者様、手術を希望されない患者様には処方しております。

 

 

Q:どうしても目の手術は怖いのですが?

A:当院では、患者様のご希望を尊重して、強引に手術をおすすめすることはしておりません

しかしながら、急性緑内障や目の炎症が発症しそうになっている場合、危険性を考えて、手術をしなければいけなくなる場合はございます。その際にはくわしくご説明させていただきます。

 

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診療時間

診療時間 日・祝
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13:00
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午後 15:00〜
18:00

※火曜のみ受付12時まで。また月1回臨時休診がございます。電話でご確認ください。

眼鏡処方、コンタクトレンズ処方、オクルパッドの受付は終了30分前までとなります。

原則予約不要です。
(手術・特殊検査・ハードコンタクトレンズ処方は予約制です。)

緊急手術がある場合、診療時間を切り上げる場合がございます。

コンタクトレンズ未経験の患者様の処方は行っておりません。