診療内容

花粉症

原因

花粉症は、スギ花粉を代表とする植物の花粉に、身体の防御反応としてのアレルギー反応が過剰におこることが原因です。目・鼻・のど・全身にさまざまな症状を起こす病気です。
スギ以外にも、ヒノキ(3~5月)、ブタクサ(8~10月)、シラカンバ(4~6月)、イネ(4~11月)、ヨモギ(8~10月)など、年間通して何らかの花粉が飛散しています。

図:花粉が飛散する時期

スギ花粉症は、日本人の4人に1人は持っている、とても身近な病気です。花粉症患者様は増加傾向にあります。その原因として、戦後住宅用木材のために、スギが全国で植林されました。しかし最近は木造建築が減り、伐採されないスギが増えていること。
また、都市部の地面は、アスファルト・コンクリートでおおわれているため、花粉が土に吸収されずに、飛び続けてしまうこと。
大気中のディーゼル粒子や、室内のハウスダストにより、現代人の目・鼻・のどの粘膜が障害されていて、抵抗力が落ちていること。などが挙げられます。
また花粉症は非常に遺伝しやすいことも分かっています。

写真:飛散するスギ花粉

症状

毎年、スギ花粉が飛散する春先に症状を繰り返します。飛散量によって症状の強さも変わります。
花粉症患者様の多くは、アレルギー性結膜炎による目の症状が出ます。具体的には、かゆみ、充血、異物感、痛み、目やに、涙、白目・まぶたの腫れ、などです。目をこすると症状が悪化します。
目以外の症状は、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、頭痛、発熱、倦怠感、不眠、皮膚のかゆみ、などです。

写真:花粉症の目

治療

スギ花粉症の、目の症状に対して、各種点眼薬を組み合わせて治療します。鼻水、鼻づまりなどの鼻の症状に対して、点鼻薬で治療します。また目・鼻の症状と、身体全体の症状に対して内服薬で治療します。
ただしこれらの治療は対処療法で、使用している期間に効果があるだけで、毎年症状を繰り返し、その都度治療を続ける必要があります。また内服薬には眠気が出るものもあり、治療を継続するストレスがあります。
最近では、根治療法となる舌下免疫療法という、新しい治療法がはじまっています。

写真:目をこする女性

日常生活でできる花粉症の予防法

1.目に花粉をなるべくつけないようにしましょう。

具体的には、飛散量の多い晴れの日の外出を控えること。外出から帰ったときに、玄関先で、上着をはたくこと。なるべく窓を閉めておくこと。花粉がつきにくい、ナイロン系のツルっとした衣服を着ること。
スカーフやつば付きの帽子をかぶること。眼鏡をすること。(フード付きの花粉症専用の眼鏡が望ましいです)マスクをつけることなどです。(花粉症専用を選びましょう)

2.家の中の花粉を取り除きましょう。

具体的には、こまめに床の水拭きをしたり、掃除機をかけたりすること。空気清浄機をかけること。
こまめに洗眼・鼻洗浄・うがいをすることなどです。

図:花粉症対策

免疫療法
点眼・点鼻・内服

広島市内の眼科ではじめて、舌下免疫療法(シダキュア)を取り入れています。
従来の点眼薬・点鼻薬・内服薬のように、症状をやわらげる対症療法と違い、花粉に反応しにくいように体質改善をする根本的な治療法になります。
スギ花粉のエキスから抽出されたシダキュア錠剤を、少量から内服することで、身体を慣らして、スギ花粉によるアレルギー反応をやわらげます。(健康保険適応の治療です。)
なおメーカーの出荷調整のため、処方できないことがあります。お電話または受診時にご確認ください。

写真:シダキュア

実際の治療の流れです。初回の検査は予約制となり、それ以降の診療は予約不要です。

12歳から65歳の患者様が対象です。スギ花粉が飛散していない時期(6~12月)に治療開始します。
採血をしてスギ花粉症であることを確認します(他院での採血結果を持参いただいても結構です)
初回は院内で飲んでいただきます。(舌の下にお薬を置き、1分間保持した後、飲み込みます。)約30分間副作用が出ないか観察します。異常がなかったら、2000単位シダキュアを1週間ご自宅で服用していただきます。
来院いただき、問題がなければ、5000単位シダキュアを1カ月処方し、ご自宅で服薬を続けます。その後、3年間を目安として服用を継続します。基本的に毎月診察と処方を受けていただきます
服用前後2時間以内に激しい運動、入浴、飲酒をするとアレルギー症状が出やすくなるため避けてください。また服用後5分間はうがいや飲食は避けてください。
なお、妊娠中の方、授乳中の方、重症の心疾患・高血圧・気管支喘息・肺疾患のある方、ステロイド投与を受けている方、抜歯・口腔内の手術後、口の中に傷や炎症がある方は、安全上服用いただけません。また、服用方法や定期受診を、守っていただけないと判断した場合には処方を控えさせていただきます。

写真:目を指さす女性

アレルギー性結膜炎の治療は点眼が基本になります。本格的な飛散の2週間以上前から、治療を開始されると、そのシーズンがずっと過ごしやすくなりますので、早めの治療開始をおすすめいたします。
点眼薬は、下記の3種類のグループに分かれます。

(1)抗アレルギー剤:かゆみを引き起こす化学物質(ヒスタミン)の発生を予防します。即効性はなく、2週間くらいして徐々に効果が出ます。
インタール・アレギサール・リザべン・ケタス・ゼペリン・アイビナールなどがあります。

(2)抗ヒスタミン剤:ヒスタミンの活動を抑えます。即効性が期待できますが、持続しにくい性質があります。
アレジオン・アレジオンLX・パタノール・リボスチン・ザジテンなどがあります。

(3)ステロイド剤:抗アレルギー剤、抗ヒスタミン剤が効きにくい時に併用します。効果は強く即効性が期待できます。
フルメトロン・フルオロメトロン・オドメール・リンデロン・サンベタゾン・オルガドロンなどがあります。

写真:点眼薬

それ以外に、当院では、鼻・のど・全身の症状に対して内服薬(ビラノア・ジルテック・フェキソフェナジン・ロラタジン・オロパタジンなど)・点鼻薬(ナゾネックス・アラミストなど)を処方しております。重症の場合、耳鼻科などに紹介いたします。

診療時間

診療時間 日・祝
午前 9:00〜
13:00
○※
午後 15:00〜
18:00

※火曜のみ受付12時まで。また月1回臨時休診がございます。電話でご確認ください。

眼鏡処方、コンタクトレンズ処方、オクルパッドの受付は終了30分前までとなります。

原則予約不要です。
(手術・特殊検査・ハードコンタクトレンズ処方は予約制です。)

緊急手術がある場合、診療時間を切り上げる場合がございます。

コンタクトレンズ未経験の患者様の処方は行っておりません。