お知らせ
2021.07.12 網膜の病気
黄斑前膜とは
黄斑前膜とは、網膜前膜、黄斑上膜ともいいます。眼科の検診で指摘される項目で代表的な病気のひとつです。
加齢とともに増えていき、中高年の方では、無症状のものをふくめるとかなりの頻度で発生しています。
黄斑とは、目の奥にある眼底の中心部にあり、見える機能が集中しているもっとも重要な組織になります。
人間はほとんど黄斑の1点でものを見て感じ取っているのです。
この黄斑の前に、余分な膜がはってしまう状態で、黄斑を変形させることでさまざまな症状をだします。
黄斑が障害される点では共通する、加齢黄斑変性と似た症状になります。
症状は、ものが歪んで見える、大きく見える、かすむ、視力が低下するなどです。
点眼や内服で回復することはありませんので、手術でしか回復できません。手術では、原因となっている膜をピンセットで取り除き、あわせて、内部からひっぱっている、眼内のゼリーの組織:硝子体をとってしまいます。
多くの場合、白内障の手術を同時におこないます。
硝子体手術を見やすくするため、また硝子体単独手術をおこなっても、白内障が進行してしまうためです。
手術後、ゆるやかに黄斑の変形がもどって症状と視力が回復しますので、回復まで数カ月要することも多いです。
また、黄斑が変形する期間が長いと、手術が成功しても、症状が回復できないこともありますので、適切な時期に手術を受けられる必要があります。
したがいまして代表的なゆがみの症状を自覚されましたら、早めの眼科受診をおすすめいたします。
右眼の黄斑前膜の眼底写真。中心の黄斑の上に膜がはっているために、網膜の中心にしわがよっています。
黄斑前膜のOCT(断層写真):黄斑の上の膜がひっぱることで、黄斑のくぼみがなくなっています。網膜にもしわがよっています。
歪んで見える症状がでます。こういう格子状の線を見ると気づきやすくなります。
診療時間
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