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2022.09.20 水晶体の病気(白内障)

白内障から緑内障になる?

タイトルを見て不思議に思われた方もおられるかもしれません。いずれも眼科の病気として有名で、重要なものです。別の組織で発生する病気ですが、実は関係性が深いのです。

正式には閉塞隅角といいます。白内障は、目の中心の水晶体というレンズがにごる病気です。光の通りを悪くして視力をさげますが、同時に水晶体が厚くなりますので、前側にある虹彩(茶目)を前に押すようになります。

そうすると、目の中を栄養している水(房水)の出口がじょじょに狭くなってしまいます。圧迫が強くなり閉塞させてしまうと房水が、目の外に出にくくなります。この状態を閉塞隅角といいます。

進行すると、房水が完全にせき止められてしまい、目の中に急激にたまることで眼圧が極端に上昇します。(正常値は10~21ですが、50,60まで上昇することがあります。)

これは急性緑内障といって、眼科の救急疾患の代表的な病気です。強い充血と、目の激しい痛みを自覚します。かすみ目も起こります

重要なのが、目以外の身体の症状も出ることが多いのです。頭痛、吐き気、全身倦怠感などです。頭痛、吐き気があるために、脳外科を受診することあり、眼科受診が結果的に遅れて、視野・視力に後遺症を残すこともあります。

急性緑内障では、眼圧の上昇が急激なために、視野障害の進行が早く、中心に及べば視力にも大きく障害します

緑内障は視野障害を生じた後の回復はできません。また急性緑内障の手術は、緊急手術となり、基本的に入院加療が必要です。眼圧が安定するまで退院できませんので、ある程度の期間となります。

このように恐ろしい急性緑内障ですが、完全に閉塞隅角が完成する前の時期に白内障手術をおこなうことで予防することができます

白内障手術では、水晶体を人工レンズに置き換えますが、人工レンズを入れることで、水晶体をずいぶん薄くすることができ、それ以上圧迫することもなくなりますので、理論上一生急性緑内障を起こすことはありません。

したがって、閉塞隅角が進行している場合、ゆっくり眼圧が上がることが多いのですが、視力や視野という自覚症状がない段階でも、急性緑内障を予防するために、白内障手術が必要となることがあるのです。

もともと隅角が狭い、高齢の女性に起こりやすいです。

以上、長くなりましたが、『白内障から緑内障になる』説明でした。眼科でまだ見えるのに白内障手術をすすめられて驚かれるケースがありますが、以上のことが原因となっていることがあります。

茶目の裏の毛陽体で房水(目の栄養の水)はつくられ、虹彩のわきを通り、茶目の根元にある繊維柱帯から目の外にぬけていきます。この水の流れが阻害されます。

急性緑内障を起こしています。強い充血と、瞳が開いています。黒目の濁りもでるため視力も低下します。

白内障手術後、眼内レンズが入ることで、黒目と茶目の空間が広がり、急性緑内障を予防します。

 

 

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